あなたには心から癒される場所はあるか。
私にはある。それもとっておきの場所だ。
ジャズ喫茶 jamjam。
独身時代も結婚をしてからも、足繁く通ったというほどではないが、癒されたい時にはここに甘えてきた。
仕事が辛い時、妻と喧嘩してしまった時、ここに来れば何も考えずに音楽に浸ることができ、煮詰まった頭を体から一旦切り離すことができた。
そんな私が最も愛する喫茶店(喫茶店という括りで収まるかは怪しいが)に久しぶりに行ってきた。
入口からしてグッとくる。
怪しげな光だが不穏な気配は一切感じない。むしろどんな人でも受け入れてくれるような懐の深さを感じる。
座席はおしゃべりと音楽を両方楽しめる席と音楽に浸るリスニング席に分かれている。
一人でお酒をいただくなんてときはおしゃべり席側のバーカウンターに座るが、今日はとにかく頭をカラにしてリフレッシュしたかったのでリスニング席の最前線に座ることにする。
爆音だがとても優しい。パンクやロックも大好きだがそれとはまた違う面取りされ、丸みを帯びた音が耳から入り、脳に染み込んでゆく。たまらん。
おっと注文だ。決まって頼むのはカフェラテのホット。
腱鞘炎を患っている私の腕では支えきれないほどの量を湛えている。腕がプルプルと裏打ちする。
このままでは軽快なスウィングに似つかわしくないガッシャン音を加えてしまいそうなので、両手で持って啜る。
コーヒーは大好きだがあまり詳しくない。しかしもはや知識など不要。シンプルにうまい。
かわいらしいラテアートに油断させられるが、ずしんとくる大人味なコク満点のラテ。まさにジャズ喫茶のラテという感じがする。
疲れ果てていたが、なんだろう。ひとっぷろ浴びたかのような爽快感。風邪も治った気すらする。
そしてこの後ルンルンで飲み会へ向かったのであった。
約1年ぶりくらいの来訪になってしまったが、やはりたまには行っておきたい私にとって特別な場所であると再認識した。
ちなみにこの前日の私の体重がこれだ。
微妙に増えとる。ばか。